WRC 2026 世界ロボット大会 現地レポート|出展373⁠社で何が変わったか

WRC 2026世界ロボット大会の現地レポート
情報の基準日:2026年9月1日(記事公開時点)。本文に発表日・訪問日などの記載がある場合は、その日付を優先します。IPO、量産、販売、導入実績などの情報は公開後に変更される場合があります。

2026年8月19日から23日まで北京・亦庄で開催された世界ロボット大会(WRC 2026)は、出展373社、展示品3,000件、新製品311点という規模で開かれました。株式会社ロボットワークスは会期中の複数日にわたり4つの展示館を現地で確認し、あわせて北京のフィジカルAI企業を訪問しました。

今年のWRCで確認できた変化は、ヒューマノイドロボットの評価軸が動きの派手さから連続稼働の安定性へ移ったこと、注目の重心が完成機メーカーからデータ収集と部品のサプライヤーへ移ったこと、そして受注台数という言葉の中身が問われ始めたことの3点です。本記事では会場で確認した事実と公開データを分け、日本企業が視察や企業評価で使える論点として整理します。

本記事は2026年9月時点の情報に基づきます。会場で聞き取った内容は当社の記録に基づくもので、各社の公式発表と異なる場合は公式情報を優先してください。

目次

WRC 2026とは

WRC(World Robot Conference、世界机器人大会)とは、中国電子学会などが主催し、毎年8月に北京・亦庄で開かれる中国最大級のロボット展示会・会議です。2026年は「人机共生 产需共融」をテーマに、8月19日から23日までの5日間で開催されました。

WRC 2026世界ロボット大会の会場入口に集まる来場者

主催者の発表によると、今回は出展373社、展示品3,000件、新製品311点、展示面積6万㎡超で、智創館・智合館・智造館・智趣館の4館構成でした。48社の中央企業(国有大手企業)が初めて団体で出展し、同時開催イベントは70件超、競技会には20カ国超から1万7,000人超の選手が参加したとされています(出典:世界机器人大会公式)。7月時点の事前発表では出展300社超、展示品2,000件超、新製品150件超とされていたため、開幕直前に規模が大きく積み増されたことになります(出典:科技日報)。

項目内容
会期2026年8月19日〜23日(19日発表日、20日調達日、21日開発者日、22〜23日一般公開日)
会場北人亦創国際会展センター(北京・亦庄)
テーマ人机共生 产需共融
出展規模373社、展示品3,000件、新製品311点、展示面積6万㎡超
展示館智創館(C館・新設2万㎡)、智合館、智造館、智趣館
特記事項48社の中央企業が初の団体出展、同時開催イベント70件超
出典:世界机器人大会公式発表(2026年8月19日)、科技日報(2026年8月19日)

今年は発表日・調達日・開発者日・一般公開日という4つのテーマ日に分ける構成が初めて採られました。入場は事前予約制で、18歳未満と60歳以上は無料で申し込めるため、一般公開日にかかわらず会場は家族連れで混雑していました。当社が入場した2日目の平日午後でも、C館の通路は人の流れが止まる時間帯が繰り返しありました。

評価軸が「派手さ」から「7×24時間の安定稼働」へ移った年

今年のWRCについて中国メディアが共通して使った表現があります。業界の評価基準が、誰の動きが一番派手か(谁的动作更炫)から、誰が7×24時間安定して作業できるか(谁能7×24小时稳定作业)へ移った、というものです。主催者側の発信にこの言い方が出てくること自体が、今年の位置づけを示しています。歩く、走る、バク転するといった身体能力の披露は、産業としての優劣を測る物差しには使えなくなったと、業界自身が認めたことになります。

象徴的だったのはUnitreeです。同社は開幕と同じ8月19日に上海証券取引所の科創板へ上場しました。発行価格は1株150.80元、IPOによる調達額は約60.99億元、発行価格ベースの時価総額は約609.93億元です(出典:新浪科技)。その2日前の8月17日には新型機「超人」を発表し、その場ジャンプ2m、最高速度12.66m/s、開発期間3か月余りという数字を公表しています(出典:IT之家)。

WRC 2026会場で展示された赤と黒のヒューマノイドロボット

一方で創業者の王興興氏は、IPO前のロードショーで、中短期の用途は科学研究、アプリケーション開発、教育、文化・エンターテインメントが中心であり、工場や一般家庭への本格普及は中長期の目標だと説明しています。同氏は現在のヒューマノイド発展を止めている最大のボトルネックはフィジカルAIの基盤モデルであり、今後1〜2年、あるいは2〜3年でロボットにChatGPTのような転換点が来る可能性があるとも述べています。人間の記録を超えるジャンプができる機体を発表した企業の創業者が、足りないのは身体ではなく頭だと公言している状態です。この前提を持って会場に入るかどうかで、見えるものが変わります。

Unitreeの上場後の株価は、初日の寄り付きが1,100元と公開価格比で6倍超の水準をつけた後、翌8月20日には18.7%下落しました(出典:新浪財経)。新規上場銘柄によくある変動であり、これだけで企業評価を語ることはできませんが、次の成長がどこから来るかについて買い手の見方が一致していないことは読み取れます。

C館は完成機の陳列棚と割り切り、運用を見る

今年新設されたC館(智創館)は2万㎡で、Unitree、UBTECH、Galbot、Galaxea AI、Fourierに加え、北京・上海・浙江・湖北・広東・四川・吉林の各ヒューマノイドイノベーションセンターと48社の中央企業展示団が集まりました。人の流れが集中していたのもこの館です。

WRC 2026の展示会場内とFLAXENブース

ただし、C館を今年の中国ロボット産業の縮図として見ることは推奨しません。ここは評価がすでに固まった企業を並べた場所であり、各社が最も見せたい状態を見せているだけで、産業のどこが伸びているかを教えてくれるわけではありません。C館で意味のある確認をするなら、見る対象を動きから運用へ変える必要があります。当社が各ブースで意識的に確認したのは次の4点です。

  • 自律で動いているのか、後方で人が遠隔操作しているのか
  • 対象物の位置が毎回同じか、変わっているか
  • 失敗した後に自分で復帰しているか、スタッフが直しているか
  • 何時間連続で回しているか(スタッフに聞けば概ね答えが返ります)

この4点は、デモ動画からは判別できません。特に遠隔操作の有無は自律性の評価を決定づける要素ですが、映像を見ているだけでは分からないため、現地で担当者に確認する必要があります。

会場で確認した仕様と、看板に書かれていなかったこと

当社が会場で足を止めて記録したのは、踊るロボットではなく仕様が書かれた看板でした。3社を例に挙げます。

寧波未来時代ロボットのブースでは、Spiderブランドの工場向けヒューマノイドが、金属加工機の作業場を再現した中で材料のセットと加工済み部品の取り出しを行っていました。歩行はせず、車輪付き台車に両腕を載せた構成です。看板の数字は、片腕7自由度、両腕可搬12kg、リーチ約70cm、繰り返し位置精度±0.03mm、最大移動速度1.5m/s、稼働8時間以上、バッテリー交換と自動充電の両対応でした。重量物向けの大型機は高さ1.45〜2.07mの伸縮、床から2.4mまで到達、両腕可搬30kgと記載されています(出典:世界机器人大会出展者情報)。

±0.03mmという数字は従来の産業用ロボットと同じ土俵の精度ですが、どの条件で測定したか、実際の工程で1個あたり何秒かかるか、寧波に計画中とされる年間1万台規模の工場がいつ稼働するかは確認できていません。看板の数字をそのまま導入判断に使うことはできない、という前提で見る必要があります。

VbotのヒューマノイドATOMは、身長160cm、関節31か所(首2、両腕14、腰3、両脚12。指は別勘定)です。資料には、なぜ160cmなのかが書かれていました。家や店舗の中で動きやすいこと、大人と向き合ったときに目線が合うこと、家具や通路の幅に収まること。性能を追った結果ではなく、置かれる場所の都合から決めた身長だという説明です。ただしATOMは構想段階の製品で、発売時期、価格、生産台数は展示資料からは分かりませんでした。

鄭州のセンサーメーカーWinsenは、AI-NOSE(電子の鼻)と呼ぶ匂いセンサーを、フレキシブルセンサー、慣性センサー、温度カメラ、力覚センサー、データグローブとあわせてロボット向けの一式として展示していました。資料に記載された用途は、EV用電池の異常検知、車内空気の状態、食品の腐敗判定、口臭チェックです。精度や採用先は確認できていませんが、視覚と触覚の次に嗅覚を売り込む企業がヒューマノイドの展示会に出展していること自体が、今年のWRCの方向を示していました。

WRC 2026会場で展示された人間に近い外観のヒューマノイドロボットの横顔

今年の主役はデータを収集する側だった

上記3社に共通するのは、ロボットに何をさせるかではなく、ロボットが周囲を何でどう感じ取るかを主題にしていた点です。当社は中国のロボット・AI市場を、2024年をデモ元年、2025年を量産元年、2026年をデータ収集元年と整理して説明しています。これは当社が使っている区分であり業界の公式な年表ではありませんが、今回のWRCでは、ロボット本体よりも実機データを記録するための道具のほうが目立っていました。

文章のAIはインターネット上の大量の文章で学習できましたが、ロボットのAIには同等の素材がありません。物をつかんだときの力、滑りそうになった瞬間、角度の変化といった情報はネット上に存在せず、誰かが実際に手を動かして記録するしかないためです。

PaXiniは、ロボットの足裏に貼って床反力を測るセンサー、人間が装着して手の動きと力加減を記録するグローブ、指先用の新型センサーを展示していました。グローブのPXCap Proは、公式説明では1,743点で触覚を取得し、紙を軽く押さえる程度の弱い力まで検知するとされています(出典:PaXini公式)。指先から足裏、さらに全身の人工皮膚へと、触覚を取る場所が広がっており、ロボットの身体そのものが測定器になりつつあります。

深センのEnsuring Technology(猿声科技)は、当社が北京へ向かう前の8月14日に深センで訪問した企業です。担当者の説明は、押される力だけでなく横方向にずれる力をどう捉えるかという内容でした。物が手から滑り落ちるかどうかは、この横方向の力で決まります。同社は数日後、指の動きと触覚を同時に記録するグローブを発表しました。厚さ2.1mmで、センサー部と布部を分離して布だけ洗えるという設計です。データ収集グローブは毎日人間が装着する消耗品であるため、洗えるかどうかが実用性を左右します。なお、このグローブの公式製品ページは当社確認時点で見つけられておらず、仕様はメーカー発表を転載した記事が中心で第三者の検証は済んでいません。

会場の外では、北京・海淀区のGigaAIのオフィスを訪問し、2時間近く話を聞きました。同社が作っているのはロボット本体ではなく、現実世界をコンピューター内に再現し、その中でロボットに練習させて実機へ移し、実機の失敗を再びシミュレーションへ戻して練習し直す仕組みです(出典:GigaAI公式ブログ)。会話の中では、実機で集めたデータ1に対してシミュレーション生成データ9という比率で試している話も出ましたが、作業・条件・試行回数が分からないため、性能を示す数字ではなく方向性を示す説明として受け取っています。

同社への質問で得られた回答のうち、実務上重要だったのは、デモの動作が遅く見える理由です。練習に使ったデータの一部が、人間がコントローラー越しにロボットを遠隔操作して記録したものであるため、ロボットはその遅い動きを手本として学んでしまう、という説明でした。データをどう集めたかが、そのままロボットの動作速度の上限になっていることになります。

こうした企業と日本企業が組む場合に確認すべきなのは、技術の優劣ではありません。自社が使う別のロボットに載せ替えられるか、集めたデータの権利は誰のものになるか、AIを日本国内の閉域ネットワークに置けるか、の3点です。今回の訪問でも、外部からアクセスできない環境を前提に契約に基づいてAIを持ち込む考え方は示されましたが、具体的な提供方法や保守条件は決まっていない段階でした。

ブースの会話に「ROI」という語が出てきた

B館を歩いて最も印象に残ったのは、動きではなく、ブースで交わされていた会話に出てきたROIという語でした。昨年までのヒューマノイド業界の会話は、こんな動作ができる、PoCをやる、デモ動画を出す、の三段で終わり、価格の話はほとんど出ませんでした。動くかどうかがまだ論点だったためです。

Robot Eraの共同創業者・席悦氏はメディアの取材に対し、以前はPoCの際に価格を考慮していなかったが、いまはますます多くの顧客が本気でROIの議論を始めており、特に物流の現場では顧客が自分でROIを計算し始めていると話しています(出典:科創板日報)。同社のB館のブースは、ロボットが立って手を振るタイプではなく、段ボールと樹脂コンテナが積まれ、ベルトコンベアが回る物流仕分けラインをそのまま持ち込んだ構成でした。展示というより現場の切り出しであり、誰に向けて話したいかが伝わる見せ方です。

問いの立て方が、ロボットにこの作業ができるかから、人を置くのとロボットを置くのとどちらが安いかへ変わっています。前者は技術者の問い、後者は購買部門と経理の問いです。買う側の担当者が変われば、必要な資料も営業の話法も、勝つ企業も変わります。

受注12万台と出荷1.8万台の間にあるもの

会期中の8月23日、中国のテックメディア虎嗅が「80%的具身订单可能是假的」(フィジカルAIの受注の8割は偽物かもしれない)という記事を出しました(出典:虎嗅)。会場の熱気と、それを取材した記者の見立てが正反対を向いていたことが、今年のWRCで最も印象に残った出来事です。

数字で確認します。IDCの調査では、2025年の世界ヒューマノイド出荷台数は約1.8万台、前年比約508%増、企業別ではAgibotが5,200台で首位でした。同じ調査で、文化娯楽公演・教育科研・案内接客といった技術検証や展示が主目的の用途が出荷台数の85%超を占め、工業製造や倉庫物流は試験導入段階にとどまるとされています(出典:IT之家)。一方、中国機器人産業聯盟の集計では2026年1月時点の国内ヒューマノイド意向受注は12万台超、工業情報化部(MIIT)が示す生産台数は2025年約2万台、2026年上半期4万台超、2026年通年10万台超の見込みです(出典:新華網)。

意向受注12万台と実出荷1.8万台が同時に存在できるのは、中国語で订单(受注)と書かれる語が、少なくとも次の4段階のどれかを指しているためです。日本語ではいずれも受注と訳されるため、区別が消えます。

段階内容外から見た性質
第1段階戦略提携の意向書(購入義務なし)台数が書かれていても拘束力はない
第2段階枠組み協定(今後3年で最大◯台などの上限)上限をそのまま受注台数として発表可能
第3段階PoC目的の実購入(数台)本物の取引だが生産手段としての購入ではない
第4段階生産上の必要から購入し、納入・検収済み、技術者の常時介入なしで稼働商業化という語が本来指す段階
出典:株式会社ロボットワークス整理(虎嗅2026年8月23日記事および現地ヒアリングに基づく)

第1〜3段階はいずれも正当に受注と呼べ、誰も虚偽を述べていません。それでも外からは第4段階と区別がつきません。虎嗅の記事は、契約が捏造されているという意味ではなく、第1〜3段階が第4段階として流通しているという指摘だと当社は読んでいます。入札データでも、2025年に中国国内で公開されたヒューマノイドの落札案件は292件、契約金額合計18.1億元超で、教育科研分野の比率は6割を超えています(出典:新浪科技)。

Unitree自身の開示も同じ構造を示しています。同社は2025年にヒューマノイドを5,500台以上出荷したと説明する一方、2025年1〜9月のヒューマノイド売上の73.60%が科学研究・教育向け、商業・消費用途が17.39%、業界用途が9.01%でした。動ける、売れる、仕事で使える、家庭で毎日使える、の4つは分けて考える必要があります。

WRCで発表された『2026年人形ロボット産業発展報告』では、2026年上半期の中国ヒューマノイド出荷が4万台超、世界出荷に占める比率が97%に達したと報告されました(出典:Global Times)。ただし、出荷量に含まれる機体の範囲、研究・教育用機体の扱い、完成機と部品の区別、97%の分母と集計方法は公開情報からは確認できないため、当社はこの数値を中国の確定市場シェアではなく、WRCで発表された報告書の報告値として扱っています。

海外報道が捉えた変化と、確認できないこと

海外報道でも、今年のWRCは派手なデモから工場・物流・家庭で何を実行できるかへ評価軸が移った展示会として扱われました。Reutersは荷物の仕分け、携帯電話の梱包、家庭内作業を展示する企業を紹介しつつ、ホテル配送や一部の製造工程で利用が始まっている一方で広範な普及には課題が残ると報じています(出典:Reuters)。The Independentは、World Robot Conferenceという名称に対して会場で外国企業の出展を確認できなかったとも記載しています(出典:The Independent)。

中国側の一部記事には、海外メディアが中国の速度を羨望した、という論調がありますが、これは報道内容から客観的に確認できる事実ではありません。海外報道には中国のサプライチェーンや実証環境を評価する論調がある一方、導入規模、コスト、遠隔操作への依存、海外企業の参加状況を冷静に指摘する記事もあり、単純な羨望や焦りとして整理すべきではないと考えています。

同じ週の世界人型ロボット運動会と2,500時間のデータ公開

WRCの会期後半と重なる形で、北京では第2回世界人型ロボット運動会が開かれ、当社は2日間会場に足を運びました。16カ国から666チーム、2,056台のヒューマノイドが集まり、51競技で1,301試合が行われました。400m走は昨年の1分28秒03から38秒15へ縮み、100m走では複数チームが10秒を切っています(出典:新華網)。

閉幕後、組織委員会は訓練から本番までに集めた実機運用データ2,500時間超のデータセットを無料公開すると発表しました。成功した動作だけでなく、失敗事例や限界条件のデータも含まれるとされています(出典:新華網)。企業が自社のためにデータを溜め込むのではなく、第三者である組織委員会が失敗を含めて外へ出すという判断は、WRCで確認したデータ収集への重心移動と同じ方向を向いています。第3回大会は2027年8月に北京で開催予定です。

競技会で印象に残ったのは、記録よりも、転んだロボットをチームが戻して原因を調べ、調整して再び送り出す作業が会場中で一日中繰り返されていたことでした。完成する前のものを外へ出し、失敗し、直し、また試す。このサイクルの速さは、当社が普段見ている深センの展示会よりもさらに速いという印象を持ちました。

日本企業への示唆:視察の組み方と企業評価の質問

WRCの現地確認から、日本企業が視察を組む際、あるいは中国ロボット企業を評価する際に使える論点を整理します。

視察の組み方

  • C館は来場者と見物客で混雑し、担当者と立ち話で30分粘る取材は困難です。話したい相手には事前にアポイントを取るか、会期とは別日にオフィスや工場を訪ねる方が確実です
  • 北京は顔ぶれ、深センは密度という違いがあります。深センでは滅多に一堂に会さない企業がWRCには集まる一方、深センの展示会は業界関係者の比率が高く、担当者との対話が成立しやすい構成です
  • 展示会の成果は、会期中に得た情報より、会期後に続く関係のほうが大きいと考えます。北京で名刺を交換し、深センで実機を確認しに行く往復が、当社の場合は最も効率的でした

企業評価で聞くべきこと

  • 台数を聞かず、誰が、何のために、何台を、いつ納入し、検収が終わり、いま何台が稼働しているかを聞く。意向書・枠組み協定・実納入を区別して答えられるかで商業化フェーズが判定できます
  • デモの前提条件を聞く。対象物の位置は固定か、事前学習済みか、遠隔操作は入っているか、失敗時に誰がリカバリーするか。ハンド側に力覚・触覚センサーが載っているかは、その場で聞ける具体的な質問です
  • データ提供を持ちかけられた場合は、AI側が欲しいのは正常稼働の記録ではなく、失敗しかけたとき、部品がばらついたとき、熟練者がとっさに直したときの記録であることを踏まえ、データの権利と閉域運用の可否を先に確認する
  • 組むべき相手は台数上位の企業とは限りません。顧客の工程を起点に話ができる企業は、規模が小さくても実装の解像度が高い傾向があります

今後1〜2年で見るべき指標は、IDCの用途内訳で文化娯楽・教育科研・案内接客が占める85%超という比率がどこまで下がるか、入札データで教育科研以外のセグメントが伸びるか、受注ではなく検収済み納入台数を開示する企業が現れるか、の3点です。この3つが動いたときが、量産元年という言葉が実態に追いつくタイミングだと当社は考えています。

株式会社ロボットワークスは、中国フィジカルAI・ロボット領域に特化し、日本企業向けに市場調査・企業視察・企業ヒアリング・導入検討を支援しています。WRCで撮影した仕様看板や製品資料は企業ごとに整理して保管しており、出展企業について確認したい事項があれば、企業名と知りたい内容を添えてご相談ください。

よくある質問

WRC 2026はいつ、どこで開催されましたか?

2026年8月19日から23日まで、北京・亦庄の北人亦創国際会展センターで開催されました。出展373社、展示品3,000件、新製品311点、展示面積6万㎡超で、智創館・智合館・智造館・智趣館の4館構成でした。

WRC 2026で中国ヒューマノイド産業の何が変わりましたか?

評価軸が動きの派手さから7×24時間の安定稼働へ移り、注目の重心が完成機メーカーから触覚センサー・データ収集グローブ・シミュレーションといったデータ収集側の企業へ移りました。物流分野ではブースの会話にROIという語が出るようになっています。

中国ヒューマノイドの受注12万台は実態を表していますか?

意向受注12万台超(2026年1月時点)に対し、IDCによる2025年の世界出荷は約1.8万台で、その85%超は文化娯楽・教育科研・案内接客用途です。受注という語には意向書、枠組み協定、PoC購入、検収済み稼働の4段階が含まれるため、台数ではなく段階を確認する必要があります。

日本企業がWRCを視察する際の注意点は?

会場は一般来場者で混雑し担当者との対話が難しいため、事前アポイントか会期外の企業訪問を組み合わせることを推奨します。ブースでは、遠隔操作の有無、対象物位置の固定、失敗時の復帰方法、連続稼働時間の4点を確認します。

関連記事

会場で確認したデータ収集企業の詳細と、受注の4段階を使った企業の見分け方については、noteの有料記事で詳しく解説しています。

参考出典

中国ヒューマノイドロボット企業の視察・調査をご検討の方へ

株式会社ロボットワークスは、中国・深センを拠点に、日本企業向けの市場調査、企業視察の設計・同行、中国企業へのヒアリング、導入検討支援を提供しています。WRCやWAICなどの展示会視察と、会期外の企業訪問・工場確認を組み合わせた行程設計、訪問時の質問設計、候補企業の絞り込みからお手伝いします。具体的な視察先や依頼内容が決まっていない段階でもご相談いただけます。

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株式会社ロボットワークス(深セン在住・代表 吉川真人)は、中国ロボット・フィジカルAI領域の調査、視察、導入検討、OEMを支援しています。具体的な企業名や製品が決まっていない、検討初期段階のご相談も歓迎です。

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この記事を書いた人

Makoto Yoshikawaのアバター Makoto Yoshikawa 代表取締役

株式会社ロボットワークス 代表取締役。中国・深圳と日本を拠点に、中国ロボット企業の日本市場展開支援、中国フィジカルAI・ロボティクス市場の現地リサーチ、企業訪問・視察企画、ビジネスマッチング、ロボティクス関連製品の販売支援を行う。ヒューマノイドロボット、サービスロボット、AIハードウェア、ロボット部品などの現地動向を継続的に調査し、日本企業向けに実務的な情報発信と事業開発支援を提供している。

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